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日本ケルト協会の歩み
その3  2000〜2002
講師のみなさんの肩書きなどは当時のものです。
        『日本ケルト協会』に改称
2000
3月5日 定例会 /講演
『沈める寺』への誘い
 ブルターニュに伝わる「イスの町と聖杯伝説」は、作曲家ドビュッシーの想像力を刺激、ピアノ前奏曲集第10番「沈める寺」が誕生した、といわれている。また、ドビュッシーの音楽は、新たに生成され連綿と続くケルト文様に見られるアニミズムと共通するものがあると、講師の内科医院・島松和正院長が解説。演奏家別のCDも聴く。
※『CARA』8号に収録
4月23日 結成5周年/改称記念特別企画フォーラム
「今、何故ケルトなのか」
C・W・ニコル氏の講演と
鶴岡真弓教授との対談
  福岡市・住吉神社/能楽殿で
  17歳からカナダやアフリカで、大自然を相手に環境問題と取り組んでいるニコル氏。ウェールズの少年時代、不思議な予知能力を持つ祖母との会話や原生林の「妖精の国」でウサギと遊んだこと、日本のブナ林を見て永住を決めたこと――ケルトの血を引く自然児らしい個性を鶴岡教授が引き出した。鶴岡教授は「自然なものやスピリチュアルなもの、人間同士での真の意味でのバランスを獲得する技術を教えてくれるのがニコルさんだと思う」と結んだ。
※『CARA』8号に収録
5月14日 定例会 / 講演
最近のアイルランド事情
  講師は熊本アイルランド協会・小島一浩副会長。83年から5年間、南部のコークに住み、そのときの見聞やその後の右肩上がりの経済動向に触れた。日本への輸出品に「馬刺し」「あじのひらき」もあったようだ。
※『CARA』8号に収録
5月27日 特別企画   
    アルタン in 福岡  
              天神・スカラエスパシオ
  アイリッシュ/ケルティックミュージックの先頭を走る『アルタン』。美しい歌声のマレード・ニ・ウィニーを軸に、ドニゴール地方の伝統音楽を正攻法で表現し、喝采を浴びた。九州初登場。
6月10日 ケルティック夜楽塾   ビデオ鑑賞と対話形式でつくる新設の学びの場。初回のシリーズは『幻の民 ケルト』(87年・英国BBC制作)。「激情と創造の伝統」を皮切りに6回コーディネイターは山本啓湖・日本ケルト協会代表。
7月2日 定例会 / 講演
『ケルズの書』のルーツを訪ねて
  トリニティ・カレッジの旧図書館に所蔵されているアイルランドの至宝『ケルズの書』は、新約聖書の4福音書の手書き彩色写本。日本アイルランド協会・瀬尾登喜子理事が、この完全復刻版と『ダロウの書』『リンディスファーン福音書』のダイジェスト版を見ながら、暗黒時代のヨーロッパにキリスト教布教を続けたアイルランド人の足跡をたどる。            
※『CARA』8号に収録
7月24日  会報誌『CARA』7号発刊     A4版・34ページ
9月24日 特別企画  
弊立神宮へ 
ペトログラフを訪ねて
第3回ツアー
 今回は91年に、ペトログラフが見つかった宮崎県境に近い熊本県蘇陽町の弊立(へいたて)神宮へ。講師の熊本先史岩石芸術協会・武内一忠会長によれば、有史以前に海を渡って、緑川を遡りこの地に住み着いた海洋民族が記した、という。
10月3日〜11日 特別企画  
アイルランド研修の旅
  ダブリンを起点に、西はイニシモア(アラン諸島)、クロンマクノイズ、モハー、リムリックへ。途中、滞在先のパリから駆けつけて頂いた鶴岡真弓教授と合流、豪華解説つきの旅に。後半は、タラの丘やニューグレンジ、ケルズなど巡りダブリンに戻って、ジェイムス・ジョイスの『ユリシーズ』の舞台「マーテロータワー」へ。トリニティ・カレッジの図書館では、ガラスケース越しに『ケルズの書』と対面。聖パトリック大聖堂の床にあった『ガリバー旅行記』のジョナサン・スイフトの墓標、崩れかけた修道院跡そばにそそり立つ石造りの尖塔、聖書の物語絵図に覆われたケルト十字架、どれも向かい合うと静けさのなかにあった。
※『CARA』8号に収録
10月22日 定例会 / 講演
ラフカディオ・ハーンとアイルランド
 島根大教授・八雲会会長の銭本健二氏が、故郷の人たちと手紙を巡るハーンを考察。日本に来てからの実弟、義妹との幼年時代のやりとり、イェイツとは、彼の作品の言葉遣いについて激烈な抗議の内容が綴られている直筆の手紙を紹介。このイェイツあて英文は、日本での公開は初めてではないか、と銭本氏。
※『CARA』8号に収録
11月26日 特別企画   
ケルティック・フィルム・フェスト
<ケルト映画祭>
 上映作品は北アイルランド「バイバイ・ジャック」(98年制作・キャフリー監督)、ウェールズ「カメレオン」(97年制作・シャーロック監督)、スコットランド「ホールド・バック・ザ・ナイト」(99年制作・ディヴィス監督)。普段見る機会が少ないケルト圏3カ国の特集。
12月17日 定例会 / 講演
スコットランドのケルト紀行
    ヘブリディーズ諸島を巡って
 スコットランド西北の大小500の島が点在する「ヨーロッパ最後の辺境」と呼ばれるヘブリディーズ諸島。エッセイストの武部好信氏が、情報の少ないこの地を訪れた時の様子をスライドで説明。ケルト遺跡やゲール語放送、アイルランドとの深い関係などについて触れた。
※『CARA』8号に収録
 
【リバーダンス福岡公演】 12月2・3日、マリンメッセで。異常な人気で4日まで追加公演された。
【ゲール語講座】 初心者向けに「やさしいゲール語」を新設、継続受講コースと並列に。
【News Letter】 5・6号発行。
【オドノバン大使】 月17日、アイルランド出身でコーネル大教授のベネディクト・アンダーソン氏に第11回福岡アジア文化賞が決まり、その授賞式に出席。また、12月2日はリバーダンス福岡公演でそれぞれ来福。
2001年
4月15日 定例会 /講演
アイルランド、
    ジャガイモ飢饉の悲劇
 講師は日本赤十字九州国際看護大・徳永哲教授。1845年、貧しかったアイルランド農民の主食のジャガイモが、菌類による大被害を受けた。被害は翌年も発生、今度は全滅。こうして絶望と死の数年間が続く。この大飢饉で100万人以上の人が餓死したり、海外に移住した。最も打撃を受けたのは西部の地方で、ケルト文化、ゲール語の衰退に拍車をかけた。
※『CARA』9号に収録
4月15日  会報誌『CARA』第8号発刊    A4版・68ページ
5月13日 特別企画 
熊本県の清栄山へ
 ペトログラフの旅
〜第4回ツアー
   熊本県高森町・ 阿蘇外輪山の清栄山へ。講師の熊本先史岩石芸術協会・武内一忠会長によれば、有明海に注ぐ緑川流域は、オリエントに因んだ地名も複数あり、シュメール系海洋渡来民族が、そこを遡って山頂に盤座を築き、祭事用のペトログラフを思わせる線刻を彫った。確かに絵記号と見えるものがある。方位磁石をその岩石に近づけると針が南北以外にくるりと回る。彼岸の日の祭事場説も。
6月17日 定例会/ 講演
ケルトの愛の形
  『嵐が丘』のエミリ・ブロンテの父はアイルランド出身。ケルト民話がどうブロンテ姉妹に語られたか――神話や伝説の原型が『トリスタンとイゾルデ』や『嵐が丘』にどのように写し取られて、ケルト文様を織り成しているかに注目して、熊本県立大・小辻梅子教授が文学論を展開。
※『CARA』9号に収録
7月21日 夏期集中講座 / 講演
イェイツ〜
  二つの劇『鷹の泉』と『骨の夢』を考える
 講師は日本赤十字九州国際看護大・徳永哲教授。能の影響を受けて書かれたとされる「踊り手のための4つの劇」に収められた二つの作品。『鷹の泉』より『骨の夢』の方が形式的に能に近く、内容もイェイツ自身の力強い新しい歴史への期待が込められている、という。1916年のイースター蜂起が彼にどういう変化を与えたか、も検証。
※『CARA』9号に収録
9月16日 定例会 / 講演
デアドラにまつわる
自分史の中間報告
  ケルト伝説の美しい女性を象徴するデアドラ。アイルランド紙幣にも登場した。イェイツらの創作欲を刺激したロマンスの古典的テーマとなっている魅力の源泉はどこに――。「私の人生はデアドラなしに語れない」という講師の岡山県立大・三宅忠明教授の思いも随所に。
※『CARA』9号に収録
10月21日 ケルト・アイリッシュ音楽祭〜
   ルナサ in 福岡
※天神・スカラエスパシオ
  アイリッシュ伝統音楽界を疾走する5人組。独自の洗礼された有機的なリズムを作り出し、完成度の高い技法で聴き手をぐいぐい引き込み、心地よい風を残して去った。
12月9日 定例会 / 講演
マン島とケルト
 北イングランドとアイルランドの間にあるマン島。講師の英国貿易促進事務所長のリチャード・コーウィン氏は、英国領なのに英国の影響を薄めて、したたかに生きる島の姿を「ユニーク」と表現した。ゲール語に似たマンクス(マン島語)は、英国支配時代に使用を禁止され、話す人がいなくなったという。
※『CARA』9号に収録
  
【夜楽塾】 松岡正剛〜日本のデザインコンセプト(シリーズもの)/山本啓湖代表
カリグラフィーの歴史とケルト文字/初島さつき会員
音楽の源流〜ケルト/秀島海三会員
【ゲール語】 平島・岩瀬両氏担当。上級・初級継続。
【オドノバン大使】 新任スペイン大使に。9月22日、大使公邸で関係団体と送別会。
来福は5回に及ぶ。
2002年
3月24日 特別企画  
熊本県のペテログラフを訪ねて
〜第5回
  熊本先史岩石芸術協会の武内一忠会長の案内で、ケルトを想起させる熊本県の菊池川流域周辺の遺跡を見学。大津町無田原のストーンサークルはサイズ、素材とも似たものが文献によれば、ニューグレンジ古墳の基底部の遺構にある。また山鹿市のチブサン古墳などにある文様(三角、四角型を組み合わせたもの)もニューグレンジ古墳入り口などにある線刻に似ている。さらにアイルランドなどに残る古代のオガム文字に酷似した刻みがある石碑が建つ神社もあった。
4月14日 定例会/ 講演
ケルト・アイルランドへの関心 
その映像文化的性質とその背後にあるもの
 アイルランドには、文字から絵を組み立てるという知的な想像力を働かせてきた伝統がある。我々は『ケルズの書』に代表される視覚的なものに目を奪われがちだが、その背後にある言語的側面に目を向けて欲しい、と講師の愛知学院大の風呂本武敏教授。イェイツやワイルド、ジョイスら作家の作品や言動、それに古くから語り継がれ大衆に好まれた戯れ歌などを通して、特異性を発揮してきたケルト文化の優れた一面を紹介。
※2003年2月発行『CARA』10号に収録
6月23日 定例会 / 講演
アイルランド現代美術事情私見
 講師は神谷徹・京都造形芸術大講師。19世紀のケルティック・リバイバルでは、隆盛を極めたケルト紋様に再興のエネルギーはなく、権力と結びついていた絵画の題材がJ・B・イェーツ(詩人W・B・イェーツの弟)らによって民衆を対象にした作品を生み出し話題を呼んだ、と説明。アイルランド留学中に知り合った現代美術作家3人や日本の奈良美智、村上隆の作風を解説して現代美術の鑑賞法にも触れ、自分の感性で作品に真摯に対峙することの大切さを説いた。
※『CARA』10号に収録
8月24日 ケルト・アイリッシュ音楽祭
アルタン in 福岡 天神・スカラエスパシオ 
  男性ダンサーのダン・ステイシーを伴って2年ぶり2度目の福岡公演。独特のギターやフィドルの音色、マレード・ニ・ウィニーの美しいヴォーカル――アイルランドの魅力がいっぱいの舞台は、400人を越す満員の観客席と一体になって盛り上がった。
6月23日 定例会 / 講演
漂白者ジョイスの<こころ>をさぐる―作品と妻ノーラとの関わりを通して
  「終生、大陸を漂白しながらも、故国に文学の題材を求め続けたジョイスにとって妻ノーラは文学に無縁であるようで、実はジョイス文学の核となる『母なるアイルランド』そのもであり、先祖ケルトの大地母神的存在でもあった」と、講師の吉津成久・梅光学院大教授。少女時代、ノーラと遊び友達だった、という102歳になる老婦人とアイルランド留学中に知り合い、このときの対話から得た、ノーラの知られざるエピソードも紹介された。
※『CARA』10号に収録
9月15日 公開講座
アイリッシュダンス ワークショップ                           福岡市中央市民体育館
 96年に続いて2度目の開催。会員を含め29人が参加。アイルランド伝統文化の紹介に努めているCCEジャパンのダンスクラスメンバーの指導。
12月22日 定例会 / 講演
ドラゴンと蛇―
  ケルトと北欧神話から
 九州の金印蛇紐まで―
 福岡市の志賀島から出土の金印は、アイルランド―北欧―中国―日本を結ぶ、動物様式のひとつの表象として捉えることが出来る。金印の握り部分の紐を通す穴がある蛇紐(じゃちゅう)を指して、論を展開したのは、講師の鶴岡真弓・立命館大教授。著書『装飾の神話学』などで、ユーロ・アジア―日本を横断する装飾美術の比較文明論を展開されている。太宰府市観世音寺の梵鐘の頂にある「龍頭」にも触れ、ユーラシア大陸とつながりが深い北部九州を際立たせた。
※『CARA』10号に収録
      当会顧問・鶴岡教授の紹介
 
[夜楽塾]
  • ハリウッドの冒険ファンタジー映画「ロード オブ ザ リング」の前に登場したアニメーションの「指輪物語」をビデオで鑑賞。(3月9日)
  • 鶴岡真弓・立命館大教授が出演のビデオ「装飾美術・奇想のヨーロッパを行く」を鑑賞。NHKの人間大学で放映した12回シリーズもの。5〜7月、3回に分けて見る。
  • 「未踏の大洞窟へ〜秋吉洞探検物語」と題して、洞窟探検家の桜井進嗣会員が講演。人間には聞こえない洞窟コウモリの鳴き声を収めた珍しいCDが配られた。 (10月5日)
[ゲール語講座] 初級はケルト民話研究家の岩瀬ひさみさん、継続受講の中級は翻訳家の平島直一郎氏が担当。