アイルランドみやげ話 2009-2010 -モノたちが語るダブリン

アイルランドみやげ話
2009-2010
-モノたちが語るダブリン

早稲田大学文学学術院教授  栩木伸明氏

 2009年4月から2010年3月までの一年間、ダブリンで暮らした。
-というか、この文章を書いている今、ぼくはまだダブリンに住んでいる。今回の滞在では、ふとしたきっかけー最初は一冊の古本だった-から歴史や文化をさまざまに秘めたモノたちとの出会いがはじまり、それらのモノが語るアイルランドの話をエッセイに書いてみる習慣がついた。
ケルティックタイガーの余波のせいか、アイルランドで本格的な骨董品を探そうとすると、品薄だし、値段がとても高い。しかし、ぼくが求めているのは高価なアンティークではなくて、フリーマーケットに出ているガラクタや、その昔売られていたみやげものや、日曜画家が描いた絵のたぐいである。ちょっと素性が怪しいかったり、正体が忘れられていたりするそれらの物品をじっくり眺め、耳を傾けていると、モノたちは自分の物語を語りはじめる。
今回の講義では、この一年間に出会ったいくつかの古いモノ、新しいモノが語りだす身の上話に耳を傾けながら、ダブリンという都市に刻まれた歴史の痕跡を探り出してみたい。手に取ることができるちっぽけなモノの背後に広がっている、バイキング時代のダブリン(クライストチャーチや聖パットリック大聖堂)、18世紀に近代都市の体裁を整えたダブリン(ジョージアン様式の整然とした街並み)、ジョイスの『ユリシーズ』の舞台になったダブリン(タクシーによく似た二輪馬車であふれていた)などを、ヴァーチャルツァーしてみたいとおもっている。

日 時 2010年4月25日(日)14:00~16:00(13:30開場)
場 所 あいれふ講堂<10F> 福岡市中央区舞鶴2-5-1
参加料 一般 1,500円  会員 無料 *当日 会場で直接受付けます。
主 催 日本ケルト協会
後 援 福岡市 福岡市教育委員会