2005年日本ケルト協会の歩み

2005年日本ケルト協会の歩み

定 例 会  
1月16日 ケルト文明とローマ帝国 立命大学教授  鶴岡 真弓氏
4月17日 アイルランド独立運動とイェイツ 初期「ケルトの薄明」の情調を読む
北九州大学助教授  木原 謙一氏
7月24日 アーサー王物語の淵源をケルトに探る アーサーとマーリン
中央大学教授  渡邊 浩司氏
9月 アラン島と劇作家シング 荒涼とした岩盤の島と海を舞台として
西南大学教授  古屋 靖二氏
12月18日 W.B.イェイツ
「鷹の泉」とダンサー伊藤道郎
日本赤十字国際看護大学教授  徳永 哲氏
特 別 企 画  
11月13日 ペトロゲラフ探訪 (8) 九州国立博物館と宝珠山・甘木・朝倉周辺のヘトログラフ見学
輪 読 会  
毎週第1金曜日 Riders to the Sea by J.M.Synge The Celts
毎月第2火曜日 ケルズの書
バーナード・ミーハン著
The Celts
アイリッシュダンス公開講座&自主練習会  
1・4 ・6・7・10月 公開講座 中央体育館
5・6・8・9
11・12月
自主練習 中央体育館
語 学 講 座  
4月~7月 スコットランド ゲール語(初級者)  
9月~12月 ゲール語  
1月~3月 ゲール語  

2004年日本ケルト協会の歩み

2004年日本ケルト協会の歩み

定 例 会  
4月18日 ケルトと日本  京都造形大学教授  鎌田東二氏
6月 響きあうケルトと山陰の民俗
 島根女子短期大学助教授  小泉 凡氏
9月 アイルランドと日本  明治・大正期に日本の人々はアイルランドから何を学んだか
成城大学名誉教授  上野 格 氏
11月 手にまつわる怪談  ハーン、ルファニ、モーパッサン
東京大学名誉教授   平川 祐弘氏
特 別 企 画  
5月30日 ケルト映画祭 

 NTT夢天神
 
10月10日 ケルト・アイリッシュ音楽とダンスの集い
アクロス福岡円形ホール
 ライア、アイリシュハープ、フィドル、ホイッスル、バウロンなどの楽器を使った演奏、ゲール語の歌やアイリシュダンス講座の受講者によるダンスを披露。最後は満席の会場の方々もステージに上がってダンスを楽しんだ。
10月13日~17日 ケルト世界への誘い
ケルト・アイルランド文化の交流
 写真パネルによるケルト・アイルランド文化紹介、小泉八雲が博多を訪れた際の関係資料。松江・八雲記念館パネルを展示。レクチャー&ワークショップでは、カリグラフィー、タティングレース、アイリシュクロッシェ、ケルト圏を旅してのお話。
ケルズの書(復刻版)と解体したケルズの書を一堂に展示。世界でも例のない展示方法は圧巻だった
11月 ペトログラフ探訪 (7)  阿蘇・西原・山の神 ペトログラフサイト
アイリッシュダンス公開講座&自主練習会  
2.4・6・8・10月 公開講座 中央体育館
3・5・7・9月 自主練習 中央体育館
語 学 講 座  
4~7月 スコットランド ゲール語
(初級者)
中央市民センター
9月~12月 ゲール語 中級 中央市民センター
1月~3月 ゲール語 中央市民センター

2003年日本ケルト協会の歩み

2003年日本ケルト協会の歩み

2月 会報誌『CARA』第10号発刊  A4版・42ページ
4月6日 定例会 / 講演
「ブリテン島の昔話・伝説とケルト文化」
  「巨人退治のジャック」やアーサー王、魔女などの伝説が色濃く残る南西部のコーンウォール地方。この地を中心に訪ね歩き、人々との交流の中で「ケルトの原初的なエネルギーを強く感じたのは、自然にそうなったのではなく、伝説を大切にし意識的にケルト文化を取り込んだ結果だろう」と、飯田正美さん(筑紫女学園大・福岡女子学院大非常勤講師)。

※『CARA』11号に収録
4月20日 「ペトログラフの里シリーズ」
第6回 日帰りバスツアー
  今回は古代海洋民族が残したとみられる巨石遺跡を求めて、熊本県の天草へ。現地案内はNPO日本巨石文化研究所理事長・武内一忠氏。姫戸町(04年3月、3町と合併して上天草市に昇格)の矢岳山頂近くのドルメンは、長さ12mの巨石が支柱石に支えられて不安定な格好で斜面に鎮座。五和町の「鬼の碁盤石」と呼ばれる巨石は、周囲から磨製石器が出土。いずれも祭祀用か。
6月8日 定例会/講演
ケルトと出会って知る「異文化の出会いと再生」
 講師は上野学園大教授・大野忠男氏。アイルランドの墓石の巴文様はキリスト教伝来とともに消え、潜行の形をとる。それが200~300年後に渡来したゲルマン的組紐文様に刺激されたのか、十字の交点に巴文様が復活。この「ルネッサンス」と呼べる現象について「文化の変革のために必要なこと」との考察を展開した。

※『CARA』11号に収録
9月7日 定例会 / 講演と音楽「アイルランドに魅せられて」  「The town I love so well」(私の愛した街)に出会って以来、アイルランドに惹かれた、というシングソングライターの横井久美子さん。歌の世界は幅広く、女性、母親の視点で社会を直視し、いろんな出来事を歌にしている。オリジナルソングのほか、アイリッシュハープやギターを弾きながらアイルランドの魅力を語り歌った。ポーチェ・アンジェリカ時代の歌も披露。

※『CARA』11号に収録
12月14日 定例会 / 講演
アイルランド演劇の今 3人のM  (マクドナ、マクファーソン、ミッチェル)
  いずれも30代の若手劇作家。家族への愛憎と暴力、語りの妙が特徴のマクドナ。マクファーソンは酩酊と性的放縦の中に哀愁を漂わす。反英武力闘争を経て疎外感がにじむミッチェル。とくに前者二人の競い合いがこれから楽しみ、と河野賢司・九州産業大国際文化学部および同大学院国際文化研究科教授。2004年はジョイスの『ユリシーズ』公演100周年に当り、同国の演劇動向に注目が集まりそう。

※『CARA』11号に収録
12月18日 ケルト・アイリッシュ音楽祭~ カラン・ケイシー Karan Casey in 福岡

※NTT夢天神ホール
アイルランドを代表する伝統音楽界の女性ヴォーカリスト。「ソーラス」に参加して実力をつけ、脱退後に制作した『シール・メディスン』が高い評価を得た。来日は2度目、九州は初公演。聴衆の心を暖かく包み込む表現力はさすがだった、と鑑賞者たち。
[アイリッシュダンス公開講座]  5月18日、7月20日、11月23日の3回開催。また自主練習会を毎月1回開いた。
指導はCCEダンスクラスメンバー。
[初、中級ゲール語講座]  毎月1回同じ日に開催。岩瀬、平島両会員が担当。
[News Leter]  7月に7号発行。
[第38回日本イェイツ協会年次大会]  9月20、21の両日、幹事校の九州産業大で開かれた。
[アイルランドビジネスセミナー]  10月20日、ホテルオークラ福岡で。アイルランド政府主催。
[アイルランド観光セミナー]  12月9日、ホテルオークラ福岡で。政府観光庁主催。
[リバーダンス福岡公演]  2年前に次いで12月5、6、7日 マリンメッセ福岡で

2002年日本ケルト協会の歩み

2002年日本ケルト協会の歩み

3月24日 特別企画
熊本県のペテログラフを訪ねて
~第5回
  熊本先史岩石芸術協会の武内一忠会長の案内で、ケルトを想起させる熊本県の菊池川流域周辺の遺跡を見学。大津町無田原のストーンサークルはサイズ、素材とも似たものが文献によれば、ニューグレンジ古墳の基底部の遺構にある。また山鹿市のチブサン古墳などにある文様(三角、四角型を組み合わせたもの)もニューグレンジ古墳入り口などにある線刻に似ている。さらにアイルランドなどに残る古代のオガム文字に酷似した刻みがある石碑が建つ神社もあった。
4月14日 定例会/ 講演
ケルト・アイルランドへの関心
その映像文化的性質とその背後にあるもの
 アイルランドには、文字から絵を組み立てるという知的な想像力を働かせてきた伝統がある。我々は『ケルズの書』に代表される視覚的なものに目を奪われがちだが、その背後にある言語的側面に目を向けて欲しい、と講師の愛知学院大の風呂本武敏教授。イェイツやワイルド、ジョイスら作家の作品や言動、それに古くから語り継がれ大衆に好まれた戯れ歌などを通して、特異性を発揮してきたケルト文化の優れた一面を紹介。

※2003年2月発行『CARA』10号に収録
6月23日 定例会 / 講演
アイルランド現代美術事情私見
 講師は神谷徹・京都造形芸術大講師。19世紀のケルティック・リバイバルでは、隆盛を極めたケルト紋様に再興のエネルギーはなく、権力と結びついていた絵画の題材がJ・B・イェーツ(詩人W・B・イェーツの弟)らによって民衆を対象にした作品を生み出し話題を呼んだ、と説明。アイルランド留学中に知り合った現代美術作家3人や日本の奈良美智、村上隆の作風を解説して現代美術の鑑賞法にも触れ、自分の感性で作品に真摯に対峙することの大切さを説いた。

※『CARA』10号に収録
8月24日 ケルト・アイリッシュ音楽祭
アルタン in 福岡 天神・スカラエスパシオ
  男性ダンサーのダン・ステイシーを伴って2年ぶり2度目の福岡公演。独特のギターやフィドルの音色、マレード・ニ・ウィニーの美しいヴォーカル――アイルランドの魅力がいっぱいの舞台は、400人を越す満員の観客席と一体になって盛り上がった。
6月23日 定例会 / 講演
漂白者ジョイスの<こころ>をさぐる―作品と妻ノーラとの関わりを通して
  「終生、大陸を漂白しながらも、故国に文学の題材を求め続けたジョイスにとって妻ノーラは文学に無縁であるようで、実はジョイス文学の核となる『母なるアイルランド』そのもであり、先祖ケルトの大地母神的存在でもあった」と、講師の吉津成久・梅光学院大教授。少女時代、ノーラと遊び友達だった、という102歳になる老婦人とアイルランド留学中に知り合い、このときの対話から得た、ノーラの知られざるエピソードも紹介された。

※『CARA』10号に収録
9月15日 公開講座
アイリッシュダンス ワークショップ                           福岡市中央市民体育館
 96年に続いて2度目の開催。会員を含め29人が参加。アイルランド伝統文化の紹介に努めているCCEジャパンのダンスクラスメンバーの指導。
12月22日 定例会 / 講演
ドラゴンと蛇―
ケルトと北欧神話から
九州の金印蛇紐まで―
 福岡市の志賀島から出土の金印は、アイルランド―北欧―中国―日本を結ぶ、動物様式のひとつの表象として捉えることが出来る。金印の握り部分の紐を通す穴がある蛇紐(じゃちゅう)を指して、論を展開したのは、講師の鶴岡真弓・立命館大教授。著書『装飾の神話学』などで、ユーロ・アジア―日本を横断する装飾美術の比較文明論を展開されている。太宰府市観世音寺の梵鐘の頂にある「龍頭」にも触れ、ユーラシア大陸とつながりが深い北部九州を際立たせた。

※『CARA』10号に収録
[夜楽塾]
  • ハリウッドの冒険ファンタジー映画「ロード オブ ザ リング」の前に登場したアニメーションの「指輪物語」をビデオで鑑賞。(3月9日)
  • 鶴岡真弓・立命館大教授が出演のビデオ「装飾美術・奇想のヨーロッパを行く」を鑑賞。NHKの人間大学で放映した12回シリーズもの。5~7月、3回に分けて見る。
  • 「未踏の大洞窟へ~秋吉洞探検物語」と題して、洞窟探検家の桜井進嗣会員が講演。人間には聞こえない洞窟コウモリの鳴き声を収めた珍しいCDが配られた。 (10月5日)
[ゲール語講座] 初級はケルト民話研究家の岩瀬ひさみさん、継続受講の中級は翻訳家の平島直一郎氏が担当。

2001年日本ケルト協会の歩み

2001年日本ケルト協会の歩み

4月15日 定例会 /講演
アイルランド、
ジャガイモ飢饉の悲劇
 講師は日本赤十字九州国際看護大・徳永哲教授。1845年、貧しかったアイルランド農民の主食のジャガイモが、菌類による大被害を受けた。被害は翌年も発生、今度は全滅。こうして絶望と死の数年間が続く。この大飢饉で100万人以上の人が餓死したり、海外に移住した。最も打撃を受けたのは西部の地方で、ケルト文化、ゲール語の衰退に拍車をかけた。

※『CARA』9号に収録

4月15日  会報誌『CARA』第8号発刊    A4版・68ページ
5月13日 特別企画
熊本県の清栄山へ
ペトログラフの旅
~第4回ツアー
   熊本県高森町・ 阿蘇外輪山の清栄山へ。講師の熊本先史岩石芸術協会・武内一忠会長によれば、有明海に注ぐ緑川流域は、オリエントに因んだ地名も複数あり、シュメール系海洋渡来民族が、そこを遡って山頂に盤座を築き、祭事用のペトログラフを思わせる線刻を彫った。確かに絵記号と見えるものがある。方位磁石をその岩石に近づけると針が南北以外にくるりと回る。彼岸の日の祭事場説も。
6月17日 定例会/ 講演
ケルトの愛の形
  『嵐が丘』のエミリ・ブロンテの父はアイルランド出身。ケルト民話がどうブロンテ姉妹に語られたか――神話や伝説の原型が『トリスタンとイゾルデ』や『嵐が丘』にどのように写し取られて、ケルト文様を織り成しているかに注目して、熊本県立大・小辻梅子教授が文学論を展開。

※『CARA』9号に収録

7月21日 夏期集中講座 / 講演
イェイツ~
二つの劇『鷹の泉』と『骨の夢』を考える
 講師は日本赤十字九州国際看護大・徳永哲教授。能の影響を受けて書かれたとされる「踊り手のための4つの劇」に収められた二つの作品。『鷹の泉』より『骨の夢』の方が形式的に能に近く、内容もイェイツ自身の力強い新しい歴史への期待が込められている、という。1916年のイースター蜂起が彼にどういう変化を与えたか、も検証。

※『CARA』9号に収録

9月16日 定例会 / 講演
デアドラにまつわる
自分史の中間報告
  ケルト伝説の美しい女性を象徴するデアドラ。アイルランド紙幣にも登場した。イェイツらの創作欲を刺激したロマンスの古典的テーマとなっている魅力の源泉はどこに――。「私の人生はデアドラなしに語れない」という講師の岡山県立大・三宅忠明教授の思いも随所に。

※『CARA』9号に収録

10月21日 ケルト・アイリッシュ音楽祭~
ルナサ in 福岡

※天神・スカラエスパシオ
  アイリッシュ伝統音楽界を疾走する5人組。独自の洗礼された有機的なリズムを作り出し、完成度の高い技法で聴き手をぐいぐい引き込み、心地よい風を残して去った。
12月9日 定例会 / 講演
マン島とケルト
 北イングランドとアイルランドの間にあるマン島。講師の英国貿易促進事務所長のリチャード・コーウィン氏は、英国領なのに英国の影響を薄めて、したたかに生きる島の姿を「ユニーク」と表現した。ゲール語に似たマンクス(マン島語)は、英国支配時代に使用を禁止され、話す人がいなくなったという。

※『CARA』9号に収録

【夜楽塾】 >松岡正剛~日本のデザインコンセプト(シリーズもの)/山本啓湖代表
カリグラフィーの歴史とケルト文字/初島さつき会員
音楽の源流~ケルト/秀島海三会員
【ゲール語】 >平島・岩瀬両氏担当。上級・初級継続。
【オドノバン大使】 >新任スペイン大使に。9月22日、大使公邸で関係団体と送別会。
来福は5回に及ぶ。

2000年日本ケルト協会の歩み

2000年日本ケルト協会の歩み

3月5日 定例会 /講演
『沈める寺』への誘い
 ブルターニュに伝わる「イスの町と聖杯伝説」は、作曲家ドビュッシーの想像力を刺激、ピアノ前奏曲集第10番「沈める寺」が誕生した、といわれている。また、ドビュッシーの音楽は、新たに生成され連綿と続くケルト文様に見られるアニミズムと共通するものがあると、講師の内科医院・島松和正院長が解説。演奏家別のCDも聴く。
※『CARA』8号に収録
4月23日 結成5周年/改称記念特別企画フォーラム
「今、何故ケルトなのか」
C・W・ニコル氏の講演と
鶴岡真弓教授との対談

  福岡市・住吉神社/能楽殿で
  17歳からカナダやアフリカで、大自然を相手に環境問題と取り組んでいるニコル氏。ウェールズの少年時代、不思議な予知能力を持つ祖母との会話や原生林の「妖精の国」でウサギと遊んだこと、日本のブナ林を見て永住を決めたこと――ケルトの血を引く自然児らしい個性を鶴岡教授が引き出した。鶴岡教授は「自然なものやスピリチュアルなもの、人間同士での真の意味でのバランスを獲得する技術を教えてくれるのがニコルさんだと思う」と結んだ。

※『CARA』8号に収録

5月14日 定例会 / 講演
最近のアイルランド事情
  講師は熊本アイルランド協会・小島一浩副会長。83年から5年間、南部のコークに住み、そのときの見聞やその後の右肩上がりの経済動向に触れた。日本への輸出品に「馬刺し」「あじのひらき」もあったようだ。

※『CARA』8号に収録

5月27日 特別企画
    アルタン in 福岡
天神・スカラエスパシオ
  アイリッシュ/ケルティックミュージックの先頭を走る『アルタン』。美しい歌声のマレード・ニ・ウィニーを軸に、ドニゴール地方の伝統音楽を正攻法で表現し、喝采を浴びた。九州初登場。
6月10日 ケルティック夜楽塾   ビデオ鑑賞と対話形式でつくる新設の学びの場。初回のシリーズは『幻の民 ケルト』(87年・英国BBC制作)。「激情と創造の伝統」を皮切りに6回コーディネイターは山本啓湖・日本ケルト協会代表。
7月2日 定例会 / 講演
『ケルズの書』のルーツを訪ねて
  トリニティ・カレッジの旧図書館に所蔵されているアイルランドの至宝『ケルズの書』は、新約聖書の4福音書の手書き彩色写本。日本アイルランド協会・瀬尾登喜子理事が、この完全復刻版と『ダロウの書』『リンディスファーン福音書』のダイジェスト版を見ながら、暗黒時代のヨーロッパにキリスト教布教を続けたアイルランド人の足跡をたどる。 

※『CARA』8号に収録

7月24日  会報誌『CARA』7号発刊     A4版・34ページ
9月24日 特別企画
弊立神宮へ
ペトログラフを訪ねて
第3回ツアー
 今回は91年に、ペトログラフが見つかった宮崎県境に近い熊本県蘇陽町の弊立(へいたて)神宮へ。講師の熊本先史岩石芸術協会・武内一忠会長によれば、有史以前に海を渡って、緑川を遡りこの地に住み着いた海洋民族が記した、という。
10月3日~11日 特別企画
アイルランド研修の旅
  ダブリンを起点に、西はイニシモア(アラン諸島)、クロンマクノイズ、モハー、リムリックへ。途中、滞在先のパリから駆けつけて頂いた鶴岡真弓教授と合流、豪華解説つきの旅に。後半は、タラの丘やニューグレンジ、ケルズなど巡りダブリンに戻って、ジェイムス・ジョイスの『ユリシーズ』の舞台「マーテロータワー」へ。トリニティ・カレッジの図書館では、ガラスケース越しに『ケルズの書』と対面。聖パトリック大聖堂の床にあった『ガリバー旅行記』のジョナサン・スイフトの墓標、崩れかけた修道院跡そばにそそり立つ石造りの尖塔、聖書の物語絵図に覆われたケルト十字架、どれも向かい合うと静けさのなかにあった。

※『CARA』8号に収録

10月22日 定例会 / 講演
ラフカディオ・ハーンとアイルランド
 島根大教授・八雲会会長の銭本健二氏が、故郷の人たちと手紙を巡るハーンを考察。日本に来てからの実弟、義妹との幼年時代のやりとり、イェイツとは、彼の作品の言葉遣いについて激烈な抗議の内容が綴られている直筆の手紙を紹介。このイェイツあて英文は、日本での公開は初めてではないか、と銭本氏。

※『CARA』8号に収録

11月26日 特別企画
ケルティック・フィルム・フェスト
<ケルト映画祭>
 上映作品は北アイルランド「バイバイ・ジャック」(98年制作・キャフリー監督)、ウェールズ「カメレオン」(97年制作・シャーロック監督)、スコットランド「ホールド・バック・ザ・ナイト」(99年制作・ディヴィス監督)。普段見る機会が少ないケルト圏3カ国の特集。
12月17日 定例会 / 講演
スコットランドのケルト紀行
ヘブリディーズ諸島を巡って
 スコットランド西北の大小500の島が点在する「ヨーロッパ最後の辺境」と呼ばれるヘブリディーズ諸島。エッセイストの武部好信氏が、情報の少ないこの地を訪れた時の様子をスライドで説明。ケルト遺跡やゲール語放送、アイルランドとの深い関係などについて触れた。

※『CARA』8号に収録

【リバーダンス福岡公演】 12月2・3日、マリンメッセで。異常な人気で4日まで追加公演された。
【ゲール語講座】 初心者向けに「やさしいゲール語」を新設、継続受講コースと並列に。
【News Letter】 5・6号発行。
【オドノバン大使】 月17日、アイルランド出身でコーネル大教授のベネディクト・アンダーソン氏に第11回福岡アジア文化賞が決まり、その授賞式に出席。また、12月2日はリバーダンス福岡公演でそれぞれ来福。

1999年日本ケルト協会の歩み

1999年日本ケルト協会の歩み

3月14日 特別企画/講演とビデオアイルランドを知る    アイリッシュダンス始め風俗、食文化も含んだビデオ「アイルランド オブ メモリーズ」(英語版・90分)を鑑賞。カトリックファミリーセンター・ライル所長が、聖パトリック祭の歴史などアイルランド全般について講演。
3月21日 特別企画  日帰りバスツアー~押戸石山へ
ペトログラフを訪ねて
   日本ペトログラフ協会員・武内一忠氏の案内で、熊本県南小国町の押戸石山へ。山頂付近の岩石群の表面に線刻の絵や記号(ペトログラフ)があり、4500年前、シュメール系海洋民族が渡来して彫った説がある。このような所は全国に650箇所、熊本県内に60箇所散在。ケルト系のオガム文字も見つかっている。西原村ではスコットランドからの留学生による、ケルトの春分の日の祭事を見学。
4月18日 定例会 / 講演
ケルト神話の再発見と女性たち
  ケルト神話の中で、愛国的役割を担ってきたアイルランド女性。社会的制約から自由になりつつある女性が、神話を自分たちのものとして語り直そうと試みている。こうした動向を愛知淑徳大・大野光子教授がヌーラ・ニ・ゴーノルらの詩を通して解説。

※『CARA』7号に収録
4月18日  会報誌『CARA』6号発刊    A4版・36ページ
6月6日 定例会 /講演
私のアイルランド
   北アイルランドのデリー出身で下関市立大・九州産業大講師のエンリ・マギー氏がカトリック神父の立場から、いわゆる「紛争」について触れた。プロテスタントの権益を守るため、イギリスの武力組織が少年時代のエンリ氏らに暴力を振るったことなど、淡々と語られた。重苦しい内容も「平和は絶対に来る」という最後のひとことに救われた。
8月28日 分科会
世界の『白雪姫』めぐり
  世界中に白雪姫に似た話がある。ケルト民話研究家・岩瀬ひさみさんを囲んで、実際にストーリーを読み比べ、お国柄みたいなものを浮かび上がらせることを試みた。
9月5日 定例会 / 講演
沖縄とアイルランドの文化的アイデンティティ
  講師は沖縄国際大・米須興文教授。アイルランドのゲール語、沖縄の琉球語(うちなあぐち)――それぞれ慣用語を失った背景や過程に共通点が多い。この文化的変遷と双方の知識人らの反応も、共通するものがある。言語にまつわる問題を通して考察。

※『CARA』7号に収録
9月23日 特別企画
拝み石山へ ペトログラフを訪ねて第2回ツアー
 今春に続いて、日本ペトログラフ協会員・武内一忠氏の案内。.熊本県河内町の拝み石山と玉東町の吉次峠へ。地元にとっても聖地と思える拝み石山は、巨岩の間に潜り込んで、懐中電灯で石の表面にあった小さな記号か文字かの線刻(ペトログラフ)を見ることができた。
11月13日 特別企画   ケルト音楽の夕べマジカル・ストリングス福岡公演

NTT夢天神ホール
米国を舞台に活躍する男女4人組のグループ。伝統的なケルト音楽の公演前に、アイリッシュダンスの無料公開レッスンもあった。
12月19日 定例会 / 講演
ケルトとは何か
 講師は立命館大・鶴岡真弓教授。「ケルトの歴史」(河出書房出版)の刊行を受けて、著者の鶴岡教授が19世紀後半に注目されたケルト文化に焦点を当てる。ケルト組紐模様や絵画など美的なものへの感動を、自分なりに読み止め理論化する必要が我々にはある、と強調した。
【ゲール語講座】 引続き、平島・岩瀬両氏が担当。
【News Letter】 第3・4号発行。

1998年日本ケルト協会の歩み

1998年日本ケルト協会の歩み

3月8日 定例会 /講演
ジェンダーとアイルランドの女性
  講師はNHK学園高校・恵泉女学院短大講師の森尾輝子さん。アイルランドの女性解放の歴史を、社会制度上の性差(ジェンダー)でとらえ、映像や写真を使って解説。

※『CARA』6号に収録
4月26日 特別企画
西海路の春を訪ねて
 日帰りバスツアーで長崎在住の会員と交流。西彼杵郡時津町元村郷でケルトやエスニック調の雑貨を扱う店「ナ・クーイック・ケイドフィ」(ゲール語で五感という意味)を営む松尾早苗さん、大瀬戸町雪の浦で手造りハム業を営む岩永優子ご夫妻を訪ねた。
5月1日  会報誌『CARA』5号発刊  A4版・34ページ
5月10日 定例会  / 講演
アイルランド歴史の旅
 翻訳家・平島直一郎氏が「ケルト文化の名残を求めて」と題して、スライドを使いケルトの影響が色濃く残るアイルランドの旅を通してケルト文化を紹介。
6月13~14日 特別企画
ケルト美術展見学
  東京都美術館で開催された『古代ヨーロッパの至宝・ケルト美術展』へ。国内で初公開の250点を鶴岡真弓教授と青山学院大非常勤講師・月川和雄氏の同行解説つきで鑑賞。14日は鶴岡教授の講演を聴講。
7月12日 特別企画
ビデオ&トーク
アイルランド映画102年
  成城学園教育研究所専任職員・岩見寿子さんが、日本未公開作品を参考上映しながら、国の手厚い支援を受けるようになったアイルランド映画の活気ある現状や隠れた実力の一端を紹介。
8月23日 定例会 /講演
チューリッヒからザンクト・ガレンへ遠回りの旅
 93年からチューリッヒに1年間滞在した森泰男・西南学院大教授が、ゲルマン大移動の後に、ガリア(フランス)からスイスにケルト・キリスト教文化を伝えた聖コルンバヌスの足跡をたどり、幾重にも分かれる教派とケルトの関わりを推論する。

※『CARA』6号に収録
9月27日 定例会 / 講演
初期中世ウェールズの国と王
 死者の国など非現実的な世界が展開する物語『マビノギ』と、政治など現実の問題解決のために編まれた『ウェールズ法』が、多くの接点を持っていることを解く。講師は国学院大・永井一郎教授。 

※『CARA』6号に収録
10月24日  ケルティック・ハープコンサート ★同25日
アイルランド映画特集ケルティック・フェスティバルの催し/NTT夢天神(岩田屋Z-SIDE7F)
   <コンサート>演奏家・菊池恵子さんがラップ・ケルティック・グランドの三種のハープを使って、「庭の千草」などケルト圏の民謡を中心に18曲演奏。
< 映画>『ナッシング・パーソナル』(95年・オサリバン監督)、『サークル・オブ・フレンズ』(95年・オコナ―監督)の2本。
12月6日  定例会 /講演
ゲール語圏の『白雪姫』をめぐって
  民話の宝庫のゲール語圏にも『白雪姫』に似た話がある。『金の木と銀の木』(スコットランド)や『アイルランドの輝く星』といった民話を紹介しつつ、ゲール語圏の「白雪姫」の魅力を探る。講師はケルト民話研究家・岩瀬ひさみさん。

※『CARA』6号に収録
【ゲール語講座】 平島直一郎氏・岩瀬ひさみさんが担当。
【News Letter】 第2号発行

1997年日本ケルト協会の歩み

1997年日本ケルト協会の歩み

2月23日 定例会 / 講演
北アイルランドの社会と小説
 講師は別府大短大・八幡雅彦助教授。英国との連合維持を主張する勢力と、アイルランド統一を求める勢力の正当性と欠点に触れ、「融和への模索」について問題点を提示。
4月27日 定例会 /講演
ホスピスへの遠い道
 にのさかクリニック・二ノ坂保喜院長が講師。ホスピス(終末医療)を生み出したアイルランドの歴史と、アイルランド修道女会の創立者マザー・メアリーエイケンヘッドの生き方を合わせて紹介。
5月24日 特別企画 / ケルティック フェスティバル
詩人の辻井喬氏・鶴岡真弓教授の対談

天神・イムズホール
 お二人は、すでに対話集「ケルトの風に吹かれて」を出しており、「西欧の基層とやまととの出会い」と題した今回も、縦横に話が展開された。辻井氏は「物事を単一の切り口だけで裁断しないで、全体性としてケルトを理解すると、大きな力が与えられると思う」と語り、鶴岡教授は「詩人と実業界に身を置く辻井氏の引き裂かれた両義性は、まさにケルト的で、ケルトを論じる上でこれ以上のいい機会はなかった」と総括した。 

 ※『CARA』第5号に収録
5月25日 フェスティバル第2幕
映画祭 in 九州
 「白馬の伝説」(93年/アイルランド・英・米)▽「ダブリン・バスのオスカー・ワイルド」(94年/アイルランド・英)▽「フィオナの海」(94年/英)の3本を上映。
6月5日 フェスティバル第3幕
ザ・チーフタンズ福岡公演
メルクパークホールで
  グラミー賞5度受賞のアイリッシュ・フォーク界の重鎮。フィドルやパイプの名手を迎え、ダンサー含めた総勢12人のパワフルな舞台を展開。
9月7日 定例会   講演
イスの町と聖杯伝説
  講師は西南学院大・有田忠郎教授。ドビュッシーが前奏曲「沈める寺」を作曲する際、ヒントを得たのがフランス・ブルターニュ地方の伝説の町イス。海に沈んだ、といわれるこの町(死者の国)と聖杯伝説を絡めて考察。

※『CARA』5号に収録
10月10~12日 小泉八雲の足跡シリーズ~神々の国・出雲へ   日本滞在中、山陰の浜でアイルランドに想いを馳せた八雲の足跡をたどる。八雲会会長の銭本健二・島根大教授と八雲の曾孫にあたる小泉凡氏(小泉八雲記念館学芸員)とともに松江市とその周辺を回る。
11月30日 小泉八雲の足跡シリーズ~熊本へ    熊本市内の旧居2ヶ所と、紀行文の舞台となった三角町の旅館を訪ね、小国町のニット工房に足を伸ばす。熊本出身の作家・石牟礼道子さんがいう「かそけき者の声音に耳傾けた人(ラフカディオ・ハーン)」をしのんで…
12月14日 定例会 / 講演
紀行・アラン島のセーター
 浮き彫りのような模様が走るアランセーター。3つの島を巡り、『紀行・アラン島のセーター』を出版したフリーライター・伊藤ユキ子さんが、スライドをまじえ、信心深い人たちの島の魅力を紹介。   

※『CARA』5号に収録
ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム】 11月7日、山口県立大で。アイルランドの詩人、シェイマス ・ヒーニー氏と作家・大江健三郎氏が「周縁から普遍へ」のテーマで基調講演と対談。ケルト会員も聴講した。
【ゲール語講座】 引続き平島直一郎氏と岩瀬ひさみさんが担当。
【News Letter】 会報誌『CARA』発行の「すき間」を埋める、会員向け広報誌創刊。第1号の題字は[mini CARA]。

1996年日本ケルト協会の歩み

1996年日本ケルト協会の歩み

2月4日 定例会 /講演
イェイツの『鷹の泉』
 逢坂収・九大名誉教授が「イェイツの『鷹の泉』~そして溢れ出た幾筋かの流れ」と題して、日本の能楽に精通していたイェイツの作品を通して、日本とアイルランドの文化の絆について講演。
2月25日   会報誌『CARA』第2号発刊   A4版・18ページ
3月31日 特別企画
アイルランド映画祭 in 九州
    天神・都久志会館で
  アイルランドの人たちのありのままの姿を、映画を通して知ってもらおうと、九州で初めての催し。オ・ドノバン駐日大使が来福。上映作品は『フールズ・オブ・フォーチュン』(90年・英)、『スナッパー』(93年・英)『ガイアシンフォニー第1番』(92年・龍村仁監督)の3本。
4月21日 定例会
平島直一郎・原田徹氏の講演会
  翻訳家の平島直一郎氏のテーマは「ケルトの言語と文学」。アイルランド文学の起源やケルト言語と他の言語との違いなどを解説。NHK福岡放送局アナウンサー原田徹氏は、アイルランドに映像取材した「妖精がほほえんだ夏―アラン諸島」の裏話など

※『CARA』3号に収録
5月25日 ゲール語入門講座
スタート
  古代ケルト以来、アイルランドに残るゲール語。講師は翻訳家の平島直一郎とケルト民話研究家の岩瀬ひさみさん。第2・4土曜日の午後2時間、福岡市民センターで。
6月16日 CDコンサートと講演
伝統音楽で聞くケルト
  音楽評論家・翻訳家の茂木健氏を招き、「伝統音楽で聞くケルト」の演題に沿って、古い聖歌から開拓時代のアメリカ大陸に展開したアイリッシュ・ミュージックなど鑑賞。
7月21日 語学講座
短期集中英会話
  アイルランド研修旅行実現の際、役立つ会話を目指し開く。講師はアイルランド出身のエンリ・マギー氏(下関市立大・九州産業大講師)。
9月1日 定例会
『ライアンの娘』などビデオ映画賞
イギリスのアイルランド支配という歴史的背景を絡めた映画『ライアンの娘』(70年・英/デビッド・リ―ン監督)ほか2本を上映。
9月15日   会報誌『CARA』第3号発刊    A4版・32ページ
11月10日 特別企画
アイリッシュダンス1日教室
上半身は動かさないで、足を素早くステップするのが特徴のアイリッシュダンス。講師2人を招き、初心者向けに手ほどきを受けた。
11月24日 特別企画
立命館大・鶴岡教授の講演と元福岡県知事・奥田氏との対談

福岡女性センター・アミカス
   鶴岡真弓教授が「ケルト文化再発見」と題して講演。ヨーロッパ源流のひとつ、ケルトの際立つ個性的な実像を浮かび上がらせ、自然への畏怖など現代人が見落としがちな面に触れた。この後「今、何故ケルトなのか」の対談で、奥田八二氏は講演に共感を示し、「ケルトを媒介にして、人間というものを理解していきたい」と述べた。

※『CARA』4号に収録
12月15日 定例会講演
『アイルランド田舎物語』
  翻訳家の高橋豊子さんが、ベストセラーとなった表題の著者アリス・テイラーを軸に、物語の中で展開される、自然と神が間近な大家族の南部地方の暮らしぶりを紹介。

※『CARA』4号に収録
12月15日 料理教室
ソーダブレッドの作り方
 カトリックファミリーセンター所長・ショーン・M・ライルさんに、日本人にも食べやすい重量感のあるパンの作り方を指導して頂いた。
【オドノバン大使】 3月31日、「アイルランド映画祭 in 九州」の舞台挨拶で来福。