2003年日本ケルト協会の歩み

2003年日本ケルト協会の歩み

2月 会報誌『CARA』第10号発刊  A4版・42ページ
4月6日 定例会 / 講演
「ブリテン島の昔話・伝説とケルト文化」
  「巨人退治のジャック」やアーサー王、魔女などの伝説が色濃く残る南西部のコーンウォール地方。この地を中心に訪ね歩き、人々との交流の中で「ケルトの原初的なエネルギーを強く感じたのは、自然にそうなったのではなく、伝説を大切にし意識的にケルト文化を取り込んだ結果だろう」と、飯田正美さん(筑紫女学園大・福岡女子学院大非常勤講師)。

※『CARA』11号に収録
4月20日 「ペトログラフの里シリーズ」
第6回 日帰りバスツアー
  今回は古代海洋民族が残したとみられる巨石遺跡を求めて、熊本県の天草へ。現地案内はNPO日本巨石文化研究所理事長・武内一忠氏。姫戸町(04年3月、3町と合併して上天草市に昇格)の矢岳山頂近くのドルメンは、長さ12mの巨石が支柱石に支えられて不安定な格好で斜面に鎮座。五和町の「鬼の碁盤石」と呼ばれる巨石は、周囲から磨製石器が出土。いずれも祭祀用か。
6月8日 定例会/講演
ケルトと出会って知る「異文化の出会いと再生」
 講師は上野学園大教授・大野忠男氏。アイルランドの墓石の巴文様はキリスト教伝来とともに消え、潜行の形をとる。それが200~300年後に渡来したゲルマン的組紐文様に刺激されたのか、十字の交点に巴文様が復活。この「ルネッサンス」と呼べる現象について「文化の変革のために必要なこと」との考察を展開した。

※『CARA』11号に収録
9月7日 定例会 / 講演と音楽「アイルランドに魅せられて」  「The town I love so well」(私の愛した街)に出会って以来、アイルランドに惹かれた、というシングソングライターの横井久美子さん。歌の世界は幅広く、女性、母親の視点で社会を直視し、いろんな出来事を歌にしている。オリジナルソングのほか、アイリッシュハープやギターを弾きながらアイルランドの魅力を語り歌った。ポーチェ・アンジェリカ時代の歌も披露。

※『CARA』11号に収録
12月14日 定例会 / 講演
アイルランド演劇の今 3人のM  (マクドナ、マクファーソン、ミッチェル)
  いずれも30代の若手劇作家。家族への愛憎と暴力、語りの妙が特徴のマクドナ。マクファーソンは酩酊と性的放縦の中に哀愁を漂わす。反英武力闘争を経て疎外感がにじむミッチェル。とくに前者二人の競い合いがこれから楽しみ、と河野賢司・九州産業大国際文化学部および同大学院国際文化研究科教授。2004年はジョイスの『ユリシーズ』公演100周年に当り、同国の演劇動向に注目が集まりそう。

※『CARA』11号に収録
12月18日 ケルト・アイリッシュ音楽祭~ カラン・ケイシー Karan Casey in 福岡

※NTT夢天神ホール
アイルランドを代表する伝統音楽界の女性ヴォーカリスト。「ソーラス」に参加して実力をつけ、脱退後に制作した『シール・メディスン』が高い評価を得た。来日は2度目、九州は初公演。聴衆の心を暖かく包み込む表現力はさすがだった、と鑑賞者たち。
[アイリッシュダンス公開講座]  5月18日、7月20日、11月23日の3回開催。また自主練習会を毎月1回開いた。
指導はCCEダンスクラスメンバー。
[初、中級ゲール語講座]  毎月1回同じ日に開催。岩瀬、平島両会員が担当。
[News Leter]  7月に7号発行。
[第38回日本イェイツ協会年次大会]  9月20、21の両日、幹事校の九州産業大で開かれた。
[アイルランドビジネスセミナー]  10月20日、ホテルオークラ福岡で。アイルランド政府主催。
[アイルランド観光セミナー]  12月9日、ホテルオークラ福岡で。政府観光庁主催。
[リバーダンス福岡公演]  2年前に次いで12月5、6、7日 マリンメッセ福岡で