1997年日本ケルト協会の歩み

1997年日本ケルト協会の歩み

2月23日 定例会 / 講演
北アイルランドの社会と小説
 講師は別府大短大・八幡雅彦助教授。英国との連合維持を主張する勢力と、アイルランド統一を求める勢力の正当性と欠点に触れ、「融和への模索」について問題点を提示。
4月27日 定例会 /講演
ホスピスへの遠い道
 にのさかクリニック・二ノ坂保喜院長が講師。ホスピス(終末医療)を生み出したアイルランドの歴史と、アイルランド修道女会の創立者マザー・メアリーエイケンヘッドの生き方を合わせて紹介。
5月24日 特別企画 / ケルティック フェスティバル
詩人の辻井喬氏・鶴岡真弓教授の対談

天神・イムズホール
 お二人は、すでに対話集「ケルトの風に吹かれて」を出しており、「西欧の基層とやまととの出会い」と題した今回も、縦横に話が展開された。辻井氏は「物事を単一の切り口だけで裁断しないで、全体性としてケルトを理解すると、大きな力が与えられると思う」と語り、鶴岡教授は「詩人と実業界に身を置く辻井氏の引き裂かれた両義性は、まさにケルト的で、ケルトを論じる上でこれ以上のいい機会はなかった」と総括した。 

 ※『CARA』第5号に収録
5月25日 フェスティバル第2幕
映画祭 in 九州
 「白馬の伝説」(93年/アイルランド・英・米)▽「ダブリン・バスのオスカー・ワイルド」(94年/アイルランド・英)▽「フィオナの海」(94年/英)の3本を上映。
6月5日 フェスティバル第3幕
ザ・チーフタンズ福岡公演
メルクパークホールで
  グラミー賞5度受賞のアイリッシュ・フォーク界の重鎮。フィドルやパイプの名手を迎え、ダンサー含めた総勢12人のパワフルな舞台を展開。
9月7日 定例会   講演
イスの町と聖杯伝説
  講師は西南学院大・有田忠郎教授。ドビュッシーが前奏曲「沈める寺」を作曲する際、ヒントを得たのがフランス・ブルターニュ地方の伝説の町イス。海に沈んだ、といわれるこの町(死者の国)と聖杯伝説を絡めて考察。

※『CARA』5号に収録
10月10~12日 小泉八雲の足跡シリーズ~神々の国・出雲へ   日本滞在中、山陰の浜でアイルランドに想いを馳せた八雲の足跡をたどる。八雲会会長の銭本健二・島根大教授と八雲の曾孫にあたる小泉凡氏(小泉八雲記念館学芸員)とともに松江市とその周辺を回る。
11月30日 小泉八雲の足跡シリーズ~熊本へ    熊本市内の旧居2ヶ所と、紀行文の舞台となった三角町の旅館を訪ね、小国町のニット工房に足を伸ばす。熊本出身の作家・石牟礼道子さんがいう「かそけき者の声音に耳傾けた人(ラフカディオ・ハーン)」をしのんで…
12月14日 定例会 / 講演
紀行・アラン島のセーター
 浮き彫りのような模様が走るアランセーター。3つの島を巡り、『紀行・アラン島のセーター』を出版したフリーライター・伊藤ユキ子さんが、スライドをまじえ、信心深い人たちの島の魅力を紹介。   

※『CARA』5号に収録
ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム】 11月7日、山口県立大で。アイルランドの詩人、シェイマス ・ヒーニー氏と作家・大江健三郎氏が「周縁から普遍へ」のテーマで基調講演と対談。ケルト会員も聴講した。
【ゲール語講座】 引続き平島直一郎氏と岩瀬ひさみさんが担当。
【News Letter】 会報誌『CARA』発行の「すき間」を埋める、会員向け広報誌創刊。第1号の題字は[mini CARA]。