「ウェールズの神話・伝説にみるケルト的要素

「ウェールズの神話・伝説にみるケルト的要素

ケルト文化を考える上で神話・伝説はことに重要な意味を持っています。古い時代から伝承されてきたさまざまな神話・伝説には、歴史的社会や生活の事実が記録されているだけでなく、人々の集団意識や信仰、個々人の心理などが鮮やかに織り込まれているからです。
ウェールズの神話・伝承は、アイルランドの神話・伝承と並んで、現在にまで受け継がれているケルト文化の輝かしい遺産です。今回は、ウェールズ中世の神話的な幻想物語集『マビノギオン』(The Mabinogion)を中心に取り上げ、その中に盛り込まれたケルト的な文化要素を読み解いていきます。ケルト人の想定した異界やその様子、異界の人物(馬の女神)と現実界の人間との交流(結婚や出産など)、メイ・イヴの怪奇的な出来事、ブリテン(ウェールズ)とアイルランドの戦争、豊饒の大釜の不思議、「切られた首」のもたらす永遠の時間、魔法の力で花からつくられた女性とその罪と罰、人間の動物への変身と復活、巨人と魔法の猪退治・・・・。『マビノギオン』では不思議と謎、神秘に満ちた超自然的な幻想世界が魅力的に語られます。
ウェールズとアイルランドにまたがる側面にも着目し、ケルト文化圏の共通性、重層性にもふれるつもりです。聴講に先立って中野節子訳『マビノギオン』(JULA出版局、2000)をテキストとしてお読みいただければ理解しやすいかと思います。

講 師  神奈川県立外語短期大学名誉教授  木村 正俊 氏
日 時 2015年11月15日(日) 14:00~16:00  (13:30会場
会 場  健康づくりサポートセンター 視聴覚室 (8F)  (旧婦人会館)
福岡市中央区舞鶴2-5-1   ☎ 092-751-2827
 参加費   一般1500円  会員 無料 *当日会場で直接受付ます。
主 催 日本ケルト協会
後 援 福岡市、福岡教育委員会 、(公財)福岡市文化芸術振興財団