ジェイムズ・ジョイスの文学と都市ダブリン

ジェイムズ・ジョイスの文学と都市ダブリン


日本ケルト協会 ケルトセミナー 2020

ジェイムズ・ジョイスの文学と都市ダブリン

法政大学名誉教授 結城英雄 氏


 ジェイムズ・ジョイスの主要な作品は、短編集『ダブリンの市民』(1914)、自伝的小説『若い芸術家の肖像』(1916)、『オデュッセイア』を枠組みとした『ユリシーズ』(1922)、死と復活の俗謡を基にした『フィネガンズ・ウェイク』(1939) の四作。どの作品も斬新な「盗み語り」でありながら、舞台はいずれも都市ダブリン。ジョイスが都市ダブリンに物語を貸し与えたと思われるが、逆に都市ダブリンの文化・政治・経済・宗教といった潜勢力によって人物や物語が構想されたとも言える。
本講演ではジョイスの文学と都市ダブリンのつながりを探るつもりである。

  ジョイスの作品の時代背景は1880年代から1920年代までで、都市ダブリンはイギリスの植民地支配下にあった。ジョイスの文学はイギリスへの怨念を描いているのか、逆にイギリスの支配に甘んじるアイルランド人を批判したものなのか、あるいは同時代のイギリス系アイルランド人への敵意を力学としているのだろうか? その一方、ジョイスの文学をめぐる評価は本来、モダニズムからポストモダニズムにいたる、先鋭な文学的手法によるところが大きい。ジョイスの文学に対する今日的な評価は、10ポンド紙幣に巧みに表象されている。『ダブリンの市民』を中心に、具体的な物語や場面を取りあげ、ジョイスの文学の広がりを読み取りたい。

ジェイムズ・ジョイスの文学と都市ダブリン
ジェイムズ・ジョイスの文学と都市ダブリン
10ポンド紙幣

【プロフィール】 結城英雄(ゆうきひでお) 1948年高崎市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。法政大学名誉教授。著書に『「ユリシーズ」の謎を歩く』(集英社)、『ジョイスを読む――二十世紀最大の言葉の魔術師』(集英社)、『亡霊のイギリス文学――豊穣なる空間』(国文社、共編著)、『アイリッシュ・アメリカンの文化を読む』(水声社、共編著)など。訳書に『メタフィクション――自意識のフィクションの理論と実際』(泰流社)、『ダブリンの市民』(岩波書店)など。日本ジェイムズ・ジョイス協会会長。

●日 時2020 年 4 月 19日(日) 14:00~16:00 (開場 13:30~)
●会 場あいれふ講堂 (10 F) 福岡市中央区舞鶴 2-5-1 ☎ (092)751-2827
●参加費一般 1,500 円 会員 無料 ※当日 会場で直接受付けます。
●主 催日本ケルト協会
●後 援福岡市、(公財)福岡市文化芸術振興財団

日本ケルト協会事務局 福岡市博多区麦野1-28-44 
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