“Eco-Poetics”と<存在>の詩学 一シェイマス・ヒーニーとロマン派風景詩・画の伝統一

日本ケルト協会/ケルトセミナー

  “Eco-Poetics”と<存在>の詩学
一シェイマス・ヒーニーとロマン派風景詩・画の伝統一

西南学院大学名誉教授 江崎義彦氏

2013年夏、惜しまれて逝去した、「現代アイルランドの詩神(橋本槙矩氏)」、Seamus Heaney(1939-2013)に、私の心にいつまでも響く言葉があります。
“We are dwellers,we are namers, we are lovers, we make homes and search for our histories。”(原文のまま)
一見何気ない言葉のように聞こえますが、北アイルランドの片田舎で、カトリック教徒として育ち、いわゆる<動乱(the Troubles)>を耐え抜いたヒーニーにとっては、のっぴきならぬ、魂の底からの叫びに近い言葉であったと思います。
今回は、この言葉を起点として、<住む(dwelling)>こと、<名付ける(naming)>こと、そして<家を創造すること(making homes)>(これが私のタイトルの“eco”=oikos十“poetics”=poiesisの原義)という3つのテーマを中核に置いて、それらのことを、ドイツの哲学者ハイデッガーの<存在論>をも援用しつつ、視野を広げてヨーロッパ近代の詩と絵画(特に風景画)の歴史のなかに探ってみたいと考えます。
お話の大まかな見取り図として、①特にヒーニーが共感したイギリス・ロマン派の詩人ワーズワス(1770-1850)を起点として、オーストリアの詩人リルケ(1875-1926)を中間に置く形で、ヒーニーに至る「詩の流れ」を、②そのワーズワスと同時代に活躍した画家コンスタブル(1776-1837)を出発点として、これまたヒーニーが愛した、セザンヌ(1839-1906)に至る「風景画」の流れを追いかけてみます。そして、その①の「詩」と②の「絵画」が合流する作品群の本質を<存在の詩学>と命名し、その実態を探ります。その際に、同じ<<住むこと>を探求した我が松尾芭蕉と、ヒーニーの交響についても少しだけお話し出来るかもしれません。

《プロフィール》 江崎 義彦 (えさきよしひこ)
九州大学大学院・英文学専攻修士課程修了後、九州産業大教養部(4年間)、西南学院大学
文学部(41年間)で教鞭を取り、2017年3月に同大学を定年退職。専門分野は、イギリス・ロマン派の詩.T.S.エリオットを中心とした英米モダニズム、及びヒーニーを中心とするアイルランド現代詩。退職後の現在も、同じような分野に興味を持ち、雑学・乱読中。
ワーズワス、シェリー、キーツなどのロマン派の詩、ヒーニー詩に関する論文を、大学の論集や各種学会誌に多数発表。翻訳に、W.クーム作『シンタックス博士のピクチャレスク旅行(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)』(西南学院大学)』他。なお、大学生用英語教科書(江崎編注)『絵画の鑑賞法一特に風景画を巡って』(松柏社)がある。

講 師  江崎 義彦氏
日 時 2018年12月9日(日) 14:00~16:00 (13:30開場)  
会 場
あいれふ講堂 [健康づくりサポートセンター 研修室A あいれふ8F] 福岡市中央区舞鶴2-5-1   ☎ 092-751-2827
 参加費   一般1500円  会員 無料 *当日会場で直接受付ます。
主 催 日本ケルト協会     http://www.celtic.or.jp keiko-y@celtlic.o
後 援 福岡市 、(公財)福岡市文化芸術振興財団
 日本ケルト協会事務局  福岡市博多区麦野1-28-44 Tel/Fax092-5了4-0331
http://www.celtic.or.jp keiko-yoceltic.or.jp
お問い合わせは事務局へ

定例会 アイルランドのラグビーいろいろ

日本ケルト協会・ケルトセミナー/福岡アイルランド協会併設記念

アイルランドのラグビーいろいろ

アイルランド研究家  犬石万蔵氏

 2019年にラグビーワールドカップ日本大会が開催されます。福岡では10月12日にアイルランド戦
が博多の森球技場で行われます。長年に亘ってアイルランドのラグビーについて研究されている
犬石万蔵氏にお話を伺います。

第1部 13:00~14:30「アイルランドのラグビーいろいろ」
アイルランドで人気を集めているスポーツや現状、アイルランド代表チームやIRFU(アイルランド・
ラグビー協会)に属する各クラブチームについて映像を交えて語っていただきます。
 第2部14:45~16:45 「日本でアイルランド代表をサポートする極意」
世界中から来日するアイルランド・サポーターとの交流の仕方やアイルランド代表チームを迎える
にあたってのマナーなど役に立ちそうな秘訣をお話しいただきます。

《プロフィール》 犬石万蔵(いぬいし まんぞう)
札幌出身・東京都在住。学生時代にヒンドゥー教を学び、教員生活を経て、40歳前半にアイルランドの生活を約1年半楽しんだ。 Co. Mayoのゴング村のパブの2階に滞在し、朝から晩まで村人と遊んでいた。ラグビーは地元のバランローブ・クラブの応援をして、ダブリンに出かけたときは、IRFUを訪ねていろいろな情報をもらった。帰国後は全国チェーンの予備校で世界史を担当し(福岡校でも指導)、現在はアイルランドについての講話や執筆を行っている。

講 師  犬石万蔵氏
日 時 2018年11月18日(日) 13:00~16:45 (12:30開場)  
会 場
あいれふ講堂 [健康づくりサポートセンター 10F] 福岡市中央区舞鶴2-5-1   ☎ 092-751-2827
 参加費   一般1500円  会員 無料 *当日会場で直接受付ます。
主 催 日本ケルト協会     http://www.celtic.or.jp keiko-y@celtlic.o
後 援 福岡市 、(公財)福岡市文化芸術振興財団
日本ケルト協会事務局   福岡市博多区麦野1-28-44 Tel/Fax092-5了4-0331
http://www.celtic.or.jp keiko-yoceltic.or.jp
お問い合わせは事務局へ

フランス西北部ブルターニュとモン・サン・ミッシェルの歴史と文化

フランス西北部ブルターニュとモン・サン・ミッシェルの歴史と文化

フランス西北部ブルターニュとモン・サン・ミッシェルの歴史と文化

10月20日(土)

 夜楽塾(特番)

フランス西北部には、大ブリテンに対して小ブリテンとも呼ばれるブルターニュ半島があり、中世にはフランス王国から半独立状態であったブルターニュ公領があった。フランスの王族をブルターニュ公として受け入れて以降、行政機構などでは隣接するフランス王国を受け入れながらも、半独立状態を維持するために在地のケルト文化・独自性を強調していたブルターニュの状況を明らかにする。
また、日本でもよ<知られている、ユネスコ世界遺産に登録されている、モン・サン・ミッシェルについても述べてみたい。

●講 師 福岡大学附属大濠高校講師鶴仁志氏
●日 時 10月20日(土)18:30~20:00
●会 場 The Celts  福岡市中央区薬院1-1-23 ☎092-714-0112
●会 費 1,500円(1ドリンク付)※当日直接受付にてお支払いください。

★夜楽塾(特番)とは…・2010年5月から会員の双方向サロンとして「夜楽塾」を開催。会員以外の方をお招きしてお話いただく特別番組(特番)も随時行っています。今回は筒井正二郎会員のご紹介でブルターニュの研究をされている鶴仁志氏にお話しいただきます。どうぞお気軽にご参加ください。

【プロフィール】鶴仁志(ツルヒトシ)

福岡県生まれ。2004年東京大学文学部卒業。
2008年東京大学大学院人文社会系研究科修士課程卒業(修士論文「中世末期ブルターニュ『国家』
の統治制度一財政を中心に」)。

現在、福岡大学附属大濠高校講師。

 会場  The Celts 福岡市中央区警固1-1-23  ℡ 092-714-0112
18:30~20:00
 参加費  1300円(1ドリンク付き) 会費 1,300円(1ドリンク付)※当日直接受付にてお支払い下さい

アイリッシュ・ダンスの歴史と現状

日本ケルト協会・ケルトセミナー/福岡アイルランド協会併設記念

アイリッシュ・ダンスの歴史と現状

成城大学非常勤講師 山下理恵子氏

 コンサートやテレビでみかける「アイリッシュ・ダンス」はアイルランドでどのように踊られてきたのでしょうか?
ダンスの背景にある社会的文脈を探ると、踊ることがより楽しくなることでしょう。
アイルランドでダンスを普及させたダンシング・マスターから、文芸復興運動の中でアイデンティティとしての意味を与えられたダンス、さらに近年のトレントまで、歴史を紐解きながら見識を深めていきましょう。
また人気が高いセット・ダンス「ランサーズ」つてどこから来たの、どうやって踊られているのかについて聞いた後、みんなでランサーズを踊ってみませんか?

《プログラム》
第1部  13:00~14:30
「アイリッシュダンスの歴史と現状」
休憩 …………………
第2部   14:45~16:45
アイリッシュダンサーな昼下がり
「クレアランサーズでケーリーを楽しむ

《プロフィール》 山下理恵子(やましたりえこ)
東京外国語大学外国語学部卒業、ダブリン市立大学修士諜程修了、関西外国語大学博士課程修了。「アイリッシュ・ダンスとアイデンティティ」の研究で言語文化博士号取得。大学講師、翻訳家、ライター、CCEジャパン会長、日愛協会理事。著書:「アイルランドでダンスに夢中」(東京書籍)「アイリッシュダンスへの招待」(音楽の友社)「アイルランドを知るための70章」(明石書店)等。

命日時

講 師  成城大学非常勤講師    山下理恵子氏
日 時 2018年9月9日(日) 13:00~16:45 (12:30開場)     
会 場  あいれふ講堂 [健康づくりサポートセンター 10F] 福岡市中央区舞鶴2-5-1   ☎ 092-751-2827
 参加費   一般1500円  会員 無料 *当日会場で直接受付ます。
主 催 日本ケルト協会     http://www.celtic.or.jp keiko-y@celtlic.o
後 援 福岡市 、(公財)福岡市文化芸術振興財団

現代アイルランド文学に息づくアイルランド語の伝統

日本ケルト協会/ケルトセミナー

現代アイルランド文学に息づくアイルランド語の伝統

京都大学大学院准教授池田寛子氏

 現在アイルランドが誇る文学と文化の土台として、アイルランド語の伝統は重要な位置を占めています。アイルランド語で紡がれた詩歌や物語は19世紀半ば以降盛んに英訳され、現代の作家たちにもインスピレーションを与えてきました。今回は「変身」にまつわる伝説とそれに着想を得て新たに創造された文学作品を取り上げ、フィクションの背後にある現実に迫りたいと思います。
鳥への「変身」を軸に展開する物語として、アイルランドには「白鳥になったリアの子どもたち」と「スウィーニーの狂気」という伝説があります。後者は鳥になって戦場から逃げ出した王をめぐる伝説です。どちらの場合も変身で物語が完結するわけではなく、変身は物語の始まりにすぎません。
スウィーニーは失われた王としての自分や王国の記憶に翻弄され、変身の前と後の二つの世界の間で引き裂かれるような思いを抱えて生き続けます。変身譚はアイルランド特有のものではありませんが、これらの物語が今日まで多くのアイルランド人作家の創作意欲を掻き立ててきたことには、アイルランドならではの事情もあるのではないかと想像されます。鳥として自然界をさまよった人の物語には、なぜかアイルランドの人々の胸に絵空事とは思えない強烈なリアリティを持って迫るものがあったようです。変身物語から連想されたことのーつに、アイルランド語話者から英語話者へと「変身」したアイルランド人の運命があります。
変身にまつわるギリシアの伝説の数々が世界を魅了したように、アイルランド古来の変身物語にも時空を超える深い含蓄があり、現代人のさまざまな心の情景と響きあうものがあります。英語とアイルランド語の作品からの抜粋を丁寧に読み解きながら、物語世界を想像力によって体験していく時間を分かち合いたいと思います。

【プロフィール】池田寛子(いけだひろこ)
現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門はアイルランドとイギリスの文学。大阪大学文学部卒業後、京都大学大学院人間・環境学研究科に進学。同研究科博士課程修了。博土(人間・環境学)。京都大学在学中に国際ロータリー財団奨学生としてユニヴァーシティ・カレッジ・ダブリンに留学。2001年より広島市立大学国際学部講師、助教授、国際研究科准教授を経て現職。主著 編訳:『ヌーラ・ニゴーノル詩集』新・世界現代詩文庫11(土曜美術社出版販売、2010年)、単著:『イェイツとアイリッシュ・フォークロアの世界 一物語と歴史の交わるところ』(彩流社、2010年)。
共著:木村正俊編『アイルランド文学-その伝統と遺産』(開文社出版、2014年)「第三章:18世紀アイルランド語詩 この世にはない法廷を求めて一二つの詩篇に響<アイルランド女性の声」。共訳・分担執筆:ブライアン・メリマン著・京都アイルランド語研究会『真夜中の法廷-18世紀アイルランドの至宝』(彩流社、2014年)。

講 師   京都大学大学院准教授  池田 寛子氏
日 時 2018年6月10日(日) 14:00~16:00  (13:30開場)     
会 場  あいれふ講堂 [健康づくりサポートセンター 10F] 福岡市中央区舞鶴2-5-1   ☎ 092-751-2827
 参加費   一般1500円  会員 無料 *当日会場で直接受付ます。
主 催 日本ケルト協会     http://www.celtic.or.jp keiko-y@celtlic.o
後 援 福岡市 、(公財)福岡市文化芸術振興財団

●主 催  日本ケルト協会
●後 援  福岡市、(公財)福岡市文化芸術振興財団
日本ケルト協会事務局 福岡市↑専多区麦野1-28-44 Tel/Fax092-5了4-0331
h七七p://www.celtic.or.jp keiko-yOceltic.or.jp

北部九州の縄文遺跡(2) 玄界灘の岸辺と遠賀川流域を訪ねる

日本ケルト協会 縄文街道シリーズN0.9

北部九州の縄文遺跡(2)
玄界灘の岸辺と遠賀川流域を訪ねる
 (博多駅発着)

《遠賀川流域の貝塚群》
玄界灘沿岸鄙から遠賀川流域・洞海湾奥部は九州における貝塚の密集地の一つです。特に遠賀川流域は古遠賀湾と呼ばれている内湾が深く入り込み、洞海湾も同様に現在よりもはるかに奥まで湾入していました。その縁辺部に15ヶ所前後の貝塚が形成されています。
ご参考までに貝塚名を挙げると次のような貝塚です。洞海湾側には黒崎・柳原・陣の原・永犬丸貝塚があり、遠賀川河口部には山鹿・夏丼ヶ浜貝塚があり、湾内の中位には鬼津・三ツ頭・虫生津・古月貝塚があり、湾奥部には新延・光田・寿命貝塚・楠橋・天神橋貝塚があります。最深部にあ
る天神橋貝塚は河口より直線距離にして約16 kmも入り込んでいます。また。西にある矢矧川の東岸には榎坂貝塚があります。これらの貝塚は前期から晩期にかけて形成された貝塚であり、各時期にわたっているので古遠賀湾の変遷や環境による生業の違いが把握できます。
今回の見学は、宗像市神湊に所在する浜宮貝塚(古墳時代)から始め、玄海町にある上八(鐘崎)貝塚(縄文時代後期)、山鹿貝塚(前期~後期)、黒崎貝塚(後期)、新延貝塚(縄文時代前期’~後期)の現地と資料館の出土遺物を見学、また、途中にある飯塚博物館や王塚古墳の資料
館も見学します。この機会にぜひ皆さまのご参加をお待ちいたしております。
《スケジュール》

 日  月  行程
 5月27日(日)  博多駅・筑紫口発 9:00→ 浜宮貝塚(玄海町)→上八貝塚(鐘ケ崎)→旧宗像歴史民俗資料館
(道の駅むなかた)→芦屋町歴史民俗資料館→山鹿貝塚(芦屋)→マリンテラスあしや(昼食)
→黒崎貝塚(黒崎)→飯塚市歴史資料館→王塚古墳・王塚装飾古墳館(桂川町)→鞍手町歴
史民俗資料館→新延貝塚(鞍手町)→ 博多駅18:30

※交通状況や天候によりスケジュールの変更を行う場合があります

 同 行 講 師  元福岡市教育委員会文化財部長山崎純男
 日    時  2017年5月27日(日)午前8時50分   博多駅筑紫口一大型バス駐車場集合
 参 加 費  一般14,800円  会員13,800円  (バス代、、昼食代、入場料、保険料などを含む)
 定    員  20名  (最少催行人員13名)
 企    画 日本ケルト協会     福岡市博多区麦野1-28-44 ☎ ・Fax 092-574-0331

◆旅行取り扱い㈱つくしの観光バス 福岡市中央区天神5-9-13-2F S 092-714-2110 担当・樋口
(福岡県知事登録国内旅行業者第3-498号)
◆予約・お問い合わせ日本ケルト協会事務局 http://www.celtic.or.jp keiko-y@celtic.oE.jp

アイルランドと「イギリス」 –連合王国(United Kingdom)と帝国(Empire)のはざまで–

日本ケルト協会/ケルトセミナー

    アイルランドと「イギリス」
–連合王国(United Kingdom)と帝国(Empire)のはざまで–

大阪経済大学経済学部教授  山本 正氏

 かつて1800年から1922年まではアイルランドは全体としてイギリス国家(大ブリテンおよびアイルランド連合王国)の一部であった。しかし、1922年に北東部6県一現在の「北アイルランド」-を除く26県がアイルランド自由国として独立し、現在はアイルランド共和国となっている。では、なぜアイルランド(の大半)だけは他の地域(スコットランドやウェールズ)と異なり独立したのであろうか。
ひとつには、「連合王国」(United Kingdom)のなかで唯一人口の圧倒的多数をカトリックが占めていたことが挙げられる。16世紀にイングランド(とウェールズ)では上からの宗教改革が、スコットランドでは下からの宗教改革が成功し、プロテスタント化したのに対して、アイルランドではイングランド型の宗教改革が挫折するとともに、大陸からの対抗宗教改革勢力が浸透したからであった。
もうひとつには、アイルランドは「イギリス帝国」(British Empire)の植民地としての性格が強かったことが挙げられる。アイルランドは中世盛期(12世紀)から近世(17世紀)に至るまで数次にわたってイングランドあるいはブリテン島からの征服・植民の対象となってきた。そしてまた、近世(17世紀)以降はイギリス国家に対する従属性を強めていっ
たのである。
本講演では、このようにブリテン諸島の一角を占め、一時は連合王国を構成しながら、他方でイギリス帝国の植民地に分類すべき存在でもあったという、アイルランドの「イギリス」に対する特異な歴史的関係を浮き彫りにしたい。

【プロフィール】山本正(やまもとただし)
1958年京都府京都市生まれ。 1981 年大阪大学文学部卒業。1986年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
その後、大阪経済大学教養部専任講師、同助教授、大阪経済大学人間科学部助教授、同教授を経て、2009年より大阪経済大
学経済学部教授。日本アイルランド協会副会長。主要著作:『「王国」と「植民地」一近世イギリス帝国のなかのアイルランド』(思
文閣出版、2002年)、『図説アイルランドの歴史』(河出書房新社【ふくろうの本】、2017年)『コモンウェルスとは何かーポスト帝国
時代のソフトパワー』【細川道久との共編】(ミネルヴァ書房・2014年)

講 師   大阪経済大学経済学部教授 山本 正氏
日 時 2018年4月22日(日) 14:00~16:00  (13:30開場)     
会 場  健康づくりサポートセンター 視聴覚室  (あいれふ8F)
福岡市中央区舞鶴2-5-1   ☎ 092-751-2827
 参加費   一般1500円  会員 無料 *当日会場で直接受付ます。
主 催 日本ケルト協会     http://www.celtic.or.jp keiko-y@celtlic.o
後 援 福岡市 、(公財)福岡市文化芸術振興財団

日本ケルト協会
福岡市、(公財)福岡市文化芸術振興財団
日本ケルト協会事務局 福岡市博多区麦野1-28-44 Tel/Fax092-5了4-0331
http://www.celtic.or.jp keiko-yoceltic.or.jp

輪読会2018 The High Deeds of Finn MacCool.

輪読会2018 The High Deeds of Finn MacCool.

毎月第1金曜日、夕方6時から8時まで、主にアイルランドの作家を中心に原書による輪読会を行なっています。これまでイェイツやシングやジョイスなど、アイルランドを代表する文学者の作品を読んできました。
今回はThe High Deeds of Finn MacCool.

講 師 帝京大学教授 日本ケルト協会会員 木村俊幸
日 時 毎月第1金曜日  18:00~20:00
テキスト ジェームス・ジョイスの短編集「ダブリン市民」(DUBLINERS)
場 所 「健康づくりサポートセンター 」あいれふ研修室
     福岡市中央区舞鶴2-5-1 ℡ 092-751-2827
*The Celts(ザケルツ)から移動しました。
参加費 1,000円
定 員 10名
会員を対象とした少人数の学びの会です。
途中からの参加も可能です。 開催日時が変更になる場合があります。
初めて参加の方はお電話にてお問い合せ下さい。
担当:田中 090-9602-0717

アイリッシュダンス2018

アイリッシュダンス2018

当会では1996年から折に触れてアイリッシュダンスの講座を設けてきました。
2018年もアイリッシュダンスをより多<の方々に親しんでいただくために普及講座を継続して行います。当会独自の講師によって、全く初めての経験がない方でも判りやすく、基礎ステップからダンス曲を踊れるように指導していきます。対象は子供~大人まで、年齢制限はありません。この機会にアイリッシュダンスに親しんで、その楽しさに触れてみませんか!

どうぞお気軽にご参加ください。

講  師 日本ケルト協会アイリッシュダンス講師 青木トモエ 氏
 時 間  13:20~15:40(開場13:00)
10月14日(日)  The celts 自主練習       14:00~16:00(予定)   シャンノースのお話と実技
The celts (福岡市中央区警固1-1-23 Tel 092-714-0112)
11月25日(日)  アクロス練習場 13:20~15:40 受付13:00    基礎スッテプ セットダンス
12月23日(日)  アクロス練習場 13:20~15:40 受付13:00    基礎スッテプ セットダンス
H30年1月20日(日)   アクロス練習場 13:20~15:40 受付13:00    基礎スッテプ セットダンス
 場 所 アクロス福岡  アクロス練習室 (随時部屋が変わります)
福岡市中央区天神1-1-1 アクロス福岡B2F
TEL092-725-9113
指 導  日本ケルト協会アイリッシュダンス講師 青木トモエ 氏
 参加費
会員1000円 (要入会)見学歓迎!!
※当日直接受付でお支払い下さい
 対 象 子供(小学生)から大人まで
 服 装 服装は動きやすいもの。
靴は運動靴やバレーシューズ。
底が厚くなくて抵抗感が少ないもの、皮底でも可。
主 催 日本ケルト協会
予約申し込み メールアドレス keiko-y@celtic.or.jp
Fax 092-574-0331  山本

『中世アイルランドの修道院と文化』~アイオナ修道院を中心に~

本ケルト協会/ケルトセミナー一日愛外交樹立60周年記念

『中世アイルランドの修道院と文化』
~アイオナ修道院を中心に~

大分工業高等専門学校准教授 田中美穂氏

 アイルランドは、ヨーロッパにおいて、最も早<全土がキリスト教化された地域の一つである。
600年頃までにアイルランド各地に教会や修道院が創建されていった。なかでも、スコットランド西部のヘブリディーズ諸島内の島に建てられたアイオナ修道院は、ブリテン諸島北部へのキリスト教布教の中心地となった。ブリテン諸島全土のキリスト教化やキリスト教文化の形成に対して、アイオナ修道院が果たした役割はきわめて大きい。
アイオナ修道院を創建した聖コルンバは、アイルランド北西部の有力な王族ケネール・ゴニルの出身であった。アイルランドで複数の修道院を建てたのちに、「キリストのための異郷遍歴者」となるために、故郷を離れてスコットランドの小さな島アイオナに航海した。563年にここに修道院を創建し、自身が初代アイオナ修道院長となった。597年にコルンバは死去したが、彼を称える詩や聖人伝が執筆された。
9代目アイオナ修道院長の聖アダムナーンが7世紀末に執筆した『聖コルンバ伝』は、コルンバのみならず、アイオナ修道院に関する最も重要な史料である。コルンバはブリテン諸島各地に赴き、各地の王や王族、司教や修道院長らと交流する。コルンバと彼らとの関係を通じて、ブリテン諸島北部の政治状況がうかがえる。修道院での生活や文化の営みについても『聖コルンバ伝』から多<を知ることができる。
今回の講演では、『聖コルンバ伝』の舞台となったアイオナ修道院を中心に、7世紀頃のアイルランドの修道院と文化についてお話ししたい。

【プロフィール】田中 美穂(たなかみほ)
京都府綾部市出身。東京都立大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程修了(博士:史学)。大学院生時代、国際ロータリー財団奨学生としてアイルランド国立大学ユニヴァーシティー・カレッジ・ダブリンに留学。現在、大分工業高等専門学校准教授。専門は中世アイルランド史。共著:『アイルランドの経験一植民・ナショナリズム・国際統合』(法政大学比較経済研究所/後藤浩子編、法政大学出版局、2009年、「第1章中世アイルランドにおける「ネイション」意識」)、『イギリス文化入門』(責任編集:下楠昌哉、三修社、2010年、「第5章 イギリスの宗教と生活」)など。論文:「中世初期アイオナ修道院とタール・リアダ王権 - 『聖コルンバ伝』における王の聖別の叙述をめぐる一考察」(『史学雑誌』110篇第7号、2001年)、「「島のケルト」再考」(『史学雑誌』第111編第10号、2002年)、「アイルランド人の起源をめぐる諸研究と「ケルト」問題」『大分工業高等専門学校紀要』(第51号、2014年)など。