アイリシュダンスの歴史的変遷
関西外国語大学、立命館大学非常勤講師 翻訳家 山下理恵子氏
Round the house and mind dresser
私自身がアイルランドで体験したダンスは、華やかなスポットライトを浴びたダンスショーでも、少女たちが順位を競い合うステップ・ダンスでもありませんでした。真冬の暗い空の下、パチパチと音を立てる暖炉の近くで奏でられる音楽、そしてダンス。仕事帰りにダブリンから車を走らせて、週末に参加した田舎での熱気あふれるケイリーやセッション。「食器戸棚にぶつからないように気をつけな!(mind the dresser)」という踊るときの決まり文句の通りの、昔ながらの光景。現在では大きなステージやパブの出し物として人気の高いアイリッシュ・ダンス。でもダンスが人々の目に触れられるようになったのはつい最近のことです。「アイリッシュ・ダンス」という名称で呼ばれるようになったのも100年ほど前から。それまでは市井の人たちの、生活の中で根付いた文化でした。ちょうど私がアイルランドで体験したような・・・。これらのダンスから、テレビや舞台で多くの人が目にするアイリッシュ・ダンスが生まれたのです。そしてこれらのダンス、例えば通常4組で踊るセット・ダンスやコネマラ地方のシャン・ノースなどはいつまでもアイルランドで踊り継がれています。どのような種類のアイリッシュ・ダンスを踊る上でも、知っておくべき伝統だといっても過言ではありません。
今回の講演では、アイリッシュ・ダンスの歴史をその時代の社会情勢を絡めながら説明していきます。また、私自身のアイルランドでのダンスに関わる楽しく、時には悲しい経験談もお話ししたいと思います。アイリッシュ・ダンスを踊る人には、政治に翻弄されたダンスの社会的背景をぜひ知ってほしい。踊ったことのない人は、ダンスの幅の広さ、生活の中での役割、そして楽しさを聞いて、実際に踊ってみてください。
日 時 |
2010年9月12日(日)
第1部14:00~15:30講演(13:30開場)
第2部16:00~18:00アイリッシュ・ダンスワークショップ |
場 所 |
婦人会館 大研修室<あいれふ9F> 福岡市中央区舞鶴2-5-1 |
参加料 |
一般 1,500円 会員 無料 *当日 会場で直接受付けます。 |
主 催 |
日本ケルト協会 |
後 援 |
福岡市 福岡市教育委員会 |